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腹部手術後VTE予防、高リスク者には術後投薬が最適か

2022年10月5日  Annals of Surgery

腹部大手術を施行する血栓塞栓症リスクが高い患者への早期(縫合前)または術後の予防的化学療法開始による静脈血栓塞栓症(VTE)および出血リスク抑制効果をコホート研究で検討。多施設研究5件の患者5501例のデータを統合解析した。1752例(31.8%)が早期、3749例(68.2%)が術後に予防的化学療法を開始した。 その結果、術後30日以内に放射線学的に確定した症候性VTEとする臨床的VTEの発症率は予防的化学療法の開始タイミングと関連しなかった(早期群0.7% vs. 術後群0.7%、オッズ比1.11、95%CI 0.60-2.15、P=0.730)。早期群で術後群に比べ全出血(5.1% vs. 2.6%、同2.04、1.52-2.73、P<0.001)、大出血(3.6% vs. 1.8%、同1.99、1.40-2.81、P<0.001)、再介入(2.0% vs. 1.0%、同2.10、1.32-3.35、P=0.003)リスクが高かった。早期の予防的化学療法開始は術後出血を独立して予測したが(同1.71、1.25-2.34、P<0.001)、VTEは予測しなかった。...