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高リスク認知機能低下の難聴者に聴覚介入の有効性

2023年9月2日  Lancet

米国で、認知機能に問題のない難聴の高齢者(平均年齢76.8歳)を対象に、聴覚介入により認知機能低下を抑制できるかどうかを多施設共同並行群間非盲検無作為化比較試験で検討(ACHIEVE試験)。心血管系の長期観察研究(ARIC研究)の参加者238例と新規参加の健康被験者739例を、聴覚介入群(聴覚カウンセリングと聴覚補助具の提供)と対照群(慢性疾患予防に関する個別健康教育)に割り付けた。主要評価項目は、各種神経認知検査による全般的な認知機能の標準化因子スコアの3年間の変化量とした。 ARICコホートは、新規コホートよりも高齢で認知機能低下の危険因子が多く、試験開始前の認知機能スコアが低かった。両コホートを合わせた主要解析で、認知機能の変化量(SD単位)に聴覚介入群と対照群で有意差はなかった(聴覚介入群-0.200、対照群-0.202、差0.002、95%CI -0.077--0.081、P=0.96)。ただし、感度分析では2つのコホートで聴覚介入の効果に有意差があった(Pinteraction=0.010)。試験に起因する重大な有害事象は、いずれの群でも報告されなかった。...