膀胱尿管逆流の乳児に予防的抗菌薬投与、有益性は

欧州39施設で膀胱尿管逆流の乳児292例を対象に、抗菌薬予防投与による尿路感染（UTI）予防効果を医師主導型の無作為化非盲検試験で検討した。グレードIII、IV、Vいずれかの膀胱尿管逆流で、UTIの既往がない生後1-5カ月の乳児（男児75％、月齢中央値3カ月、グレードIVまたはVの膀胱尿管逆流80.5％）を組み入れ、予防投与群と無投与群に均等に割り付けて24カ月間評価した。 その結果、初回UTIが発生したのは予防群21.2％、無投与群35.6％（ハザード比0.55、95％CI 0.35-0.86、P＝0.008）だった。腎瘢痕の新規発生率と24カ月後の推定糸球体濾過量に大きな群間差はなかった。予防群から得られたUTI分離株は、無投与群から得られた分離株に比べて、シュードモナス属菌、大腸菌以外のその他の微生物、抗菌薬耐性が多かった。重篤な有害事象は両群とも同程度だった。...