高感度心筋トロポニンI測定で心筋梗塞/死亡長期リスク低下

急性冠症候群疑いの患者4万8282例を対象に、長期転帰に対する高感度心筋トロポニンIアッセイ導入の影響をステップウェッジクラスター無作為化比較試験の副次的観察分析で検討。医療機関を高感度アッセイの早期導入群（5施設）または後期導入群（5施設）に割り付けた。5年後の心筋梗塞または死亡を評価した。 その結果、1万360例の心筋トロポニンが閾値を超え、1771例（17.1％）を高感度アッセイによって再分類した。高感度アッセイ導入前および導入後の心筋梗塞または死亡5年発生率は、全患者ではそれぞれ29.4％および25.9％（調整後ハザード比0.97、95％CI 0.93-1.01）、高感度アッセイによる再分類後の患者では63.0％および53.9％だった（同0.82、0.72-0.94）。高感度アッセイ導入後、非虚血性心筋障害の患者では、その後の心筋梗塞または死亡が減少した（同0.83、0.75-0.91）が、Type 1（同0.92、0.83-1.01）またはType 2（同0.98、0.84-1.14）の心筋梗塞患者では減少しなかった。...