体重減少後1年間の上部消化管がんリスク増加

直近2年間に体重減少を呈した医療従事者を対象に、最近の体重減少がない医療従事者と比較し、その後12ヵ月間にがんと診断される割合を前向きコホート解析で検討した。「Nurses' Health Study」の40歳以上の女性（追跡期間1978年6月-2016年6月30日）、「Health Professionals Follow-Up Study」の40歳以上男性（同1988年1月-2016年1月31日）のデータを解析した。 その結果、15万7474例（中央値62歳、女性71.1％、白人95.2％）のうち、追跡期間164万人年で1万5809例のがん罹患を確認した（罹患率964例/10万人年）。体重変化の報告後12ヵ月間のがん症例数は、最近体重が10.0％以上減少した参加者では1362例/10万人年だったが、体重減少がなかった場合は869例/10万人年だった（群間差493例/10万人年、95％CI 391-594例/10万人年、P＜0.001）。最近体重が減少した参加者に特に多かったのは上部消化管系がん（食道、胃、肝臓、胆道、膵臓）で、体重が10.0％以上減少した参加者のがん症例数は173例...