肥満関連心不全と糖尿病の合併にセマグルチドが有効

駆出率の保たれた心不全（HFpEF）で肥満（BMI 30以上）の、2型糖尿病を合併した患者616例を対象に、セマグルチドの有効性を無作為化比較試験で検討（STEP HFpEF DM試験）。患者をセマグルチド（2.4mg）またはプラセボに無作為化割付けし、週1回52週間投与した。主要評価項目は、Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire臨床要約スコア（KCCQ-CSS、範囲0-100、スコアが高いほど症状と身体的制約が軽度）および体重の試験開始時からの変化量とした。 その結果、KCCQ-CSSの平均変化量はセマグルチド群が13.7ポイント、プラセボ群が6.4ポイント（推定差7.3ポイント、95％CI 4.1-10.4、P＜0.001）、体重の平均変化率はセマグルチド群が－9.8％、プラセボ群が－3.4％だった（推定差－6.4％ポイント、95％CI －7.6-－5.2、P＜0.001）。重篤な有害事象は、セマグルチド群の55例（17.7％）、プラセボ群の88例（28.8％）で報告された。...