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“筋肉質”の医療提供体制を目指せ - 土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2015年3月23日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――今、お伺いした中で、基本的なことを確認させていただきたいのですが、提言では「非社会保障支出の対GDP比は、OECD諸国と比較して、最低水準」としていますが、一方で、社会保障支出の対GDP比も、日本の場合、決して高くはありません。 結局、収入不足で支出が増やせないということです。本当はもっと税金を支払ってもらえれば増やせたのに、それを拒み続けて、今日まで来たということです。しかも、他の国と比べて国債を低金利で発行できたことに、コスト意識が希薄になった政治が胡坐をかいていた。負担増を少しずつ求めてくればよかったのですが、それを拒んで、あるいは避けて今日に至ってしまった。 スウェーデンが、典型的だと思うのです。増税もするけれど、社会保障の給付も増やす。これらをセットでやっていた。日本は結局、増税に応じないから、「社会保障費ももっと増やしたらいい」と言いながら、増やせない。機械的な計算で言えば、社会保障費を一切削らず、消費税率を14%まで上げれば、2020年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を達成して、かつお釣りが来るのです。ただし、これは3.5%前後という高めの経済成長が前...