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造影剤の誤投与「初歩的、重い過失」、禁錮1年

レポート 2015年7月14日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立国際医療研究センター病院の整形外科医が、2014年4月に脊髄造影検査には禁忌の造影剤ウログラフインを誤投与し、78歳の女性が死亡、業務上過失致死罪に問われた裁判で、東京地裁(大野勝則裁判長)は7月14日、禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。検察の求刑は禁錮1年だった(『造影剤誤投与「過失は重大」、禁錮1年求刑』を参照)。 判決は、脊髄造影検査の際には、添付文書等で造影剤の薬理作用を確認し、誤用による生命身体への危険を防止する注意義務があるにもかかわらず、これを怠り、漫然と脊髄腔内に造影剤約8mLを誤投与し、女性を急性呼吸不全により、死亡させた過失があると判断した。 さらに、「禁錮1年」という量刑の理由として、「被告人の過誤は初歩的であって、その過失の程度は重い」と説明。その理由として、「造影剤の選択を誤ると、重大な副作用を起こす場合もあるという基本的な知識を持ち合わせていなかった」「経験による思い込みから、添付文書を検討せず、薬剤部への問い合わせもせずに、造影剤を誤投与した」「医師は、使用する薬剤の確認や選定に過誤がないよう十分な注意を払うべきことは明らか」などと判示した上で...