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精神科の“主役交代”をデータで追う【平成の医療史30年◆精神科編】

2019年3月7日  平成の医療史30年

 疾患の呼称変更、3度の『精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)』改訂、非定型抗精神病薬やSSRI、コリンエステラーゼ阻害薬、精神刺激薬など新薬の登場、“新型うつ病”も含めたうつ病の増加、自閉症に対する認識の変化――。平成の30年間は、精神科にも多大な変化をもたらした。さらに、平成の時代を通じて「精神医学の主役が交代し始めている」との指摘もある。ここでは、精神科疾患の変遷をデータで追うとともに、次回からは国立精神・神経医療研究センター名誉理事長の樋口輝彦氏に、平成の臨床現場を振り返ってもらう。(m3.com編集部・小島領平) 統合失調症:患者数変化なしも入院患者は減少  東京藝術大学保健管理センター教授の内海健氏は2016年(平成28年)の講演で、「20世紀から21世紀にかけて統合失調症から自閉症スペクトラムへと、精神医学の主役が交代し始めている」と考察した(社会技術研究開発センター「科学技術と知の精神文化」研究会より)。  患者数で平成の変遷を見てみると、統合失調症は総患者数(推定)が1996年(平成8年)で72万1000人、1999年(平成11年)で66万6000人、精...