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がん連携パスの普及を阻む二つの要因とは?

レポート 2011年3月4日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立がん研究センター中央病院が3月3日に開催した「医療連携強化のための情報交換会」で、「連携パスの普及のため」と題して講演した東京都駒込病院副院長の鶴田耕二氏は、普及を阻み得るものとして、「名称」と「診療報酬」の二つを挙げた。「クリティカルパスという名称が悪い。名称を利用して小難しくしようとしている人がおり、一方で、小難しく考える人がいる」と鶴田氏は指摘、また連携に関する診療報酬上の評価は入院患者のみを原則前提としている点を問題視した。 同情報交換会は年2回実施、連携をキーワードに、講演とディスカッションの形で展開。 がん対策推進基本計画では、がん診療連携拠点病院に対し、2012年3月までに地域連携クリティカルパスを整備するよう求めている。東京都では2008年9月から都内の全拠点病院が共同して、東京統一の連携パスを作ることを決定。「各病院が独自のパスを作っていると混乱を来す。『エビデンスに基づいたシンプルで、使いやすいもの』がモットーであり、かつカタカナは使わない」との方針で、まず五大がんで「東京都医療連携手帳」を作成、その後、前立腺がんを追加した(東京都のホームページを参照)。連携手...