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今、一番必要としているのは「検死医」

スペシャル企画 2011年3月14日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

3月11日に発生した、東北地方太平洋沖大震災で、津波などにより多数の犠牲者が出ている。「現地からの通信手段もままならないが、仙台市医師会の要請では、救急医療よりも、何よりも不足しているのは、検死医。日本医師会の情報でも、岩手からも、同様の要望が入っている。恐らく、福島も同様だ思う」と、京都府医師会副会長の安達秀樹氏は指摘する。 阪神淡路震災を教訓として、仙台市医師会を含む14大都市医師会連絡協議会には災害時の協力ネットワークがある。このネットワークに、こうした情報が来ているという。 「災害時の検死は、特に法医学的な専門性を要するものではなく、医師であれば、法医でなくても、誰でもその任に当たることができる」(安達氏)。医師が検死をしなければ、火葬などはできない。 現地まで行く手段は限られているが、京都府からは山形空港まで行き、そこからレンタカーを借りて仙台に行った医師もいるという。 一方、DMATの中には、いったん現地に赴いても、帰ってきているケースがある。DMATは災害時に多数の救急患者が出た際への対応、災害発生時から72時間以内の対応が主であり、今回のように津波で多数の犠牲者が出た場...