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「薬が届かない、医師も看護師も来られない」

スペシャル企画 2011年3月17日 (木)  星良孝(m3.com編集部)

「まだ停電が回復していないが、明日クリニックを開くことにした」。津波の被害で幾度も報道された仙台市若林区のはなクリニック院長の高橋雅司氏は、3月16日にm3.com編集部の取材に対しこう語った。はなクリニックは、海岸線まで含む若林区の中で、海岸線から3kmほどの距離。津波の直接的な被害こそ回避できたが、甚大な津波の被害を報道された荒浜地区とも遠くはない。 仙台市全体で見れば、道路の状態は問題が少なく、地震発生から6日ぶりに医院を開くことにした。 心配の種は尽きない。一つが、かねて報道されるガソリン不足により、薬が届かない、医師や看護師の通勤が困難などの問題があることだ。 卸も患者も頻繁に来られず ガソリン不足による薬剤の調達困難は、思わぬ不都合をもたらすことになりそうだ。はなクリニックは、内科、小児科、外科、肛門科、麻酔科を標榜、地域の第一線の医療を支えてきた。今は、医薬品の卸の担当者が、自動車のガソリンがないために、クリニック近くの薬局まで配送することができないのだ。比較的に長期間分の処方が可能な慢性疾患患者の薬まで、1週間までの制限が設けられてしまう。患者にとっては、頻繁に受診しな...