1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「助けたくても助けられない、東北全体で支援体制を」

「助けたくても助けられない、東北全体で支援体制を」

スペシャル企画 2011年3月17日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

「当大学は通常診療が可能で、スタッフも確保できる。被災地を助けたいという思いは皆、同じだと思うが、ガソリンや医薬品、衛生材料などがなければ、助けようにも助けることができない。被災地あるいは県単位ではなく、広い視野に立って、東北地方全体で支援する医療体制を考えることが必要」 こう指摘するのは山形大学医学部長の山下英俊氏だ。宮城県内の地震の被害は沿岸部だけでなく、広域。宮城県全体の医療機能が低下した今回の震災では、隣県、さらには東北全体で支える必要がある。入院患者の受け入れ、一方で被災地に赴いての医療支援活動が求められるが、いずれもガソリンや医薬品などの供給不足でままならないというのだ。 福島県の福島県立医科大学、宮城県の東北大学、山形県の山形大学という南東北3県の3大学で、通常診療が可能なのは山形大学のみ。同大学には、東北大学から、重症で緊急性のある手術適応患者が車やヘリコプターで搬送されてきており、その対応に当たっている。「最初は、地震でけがをした患者などの対応に追われると想定されたが、実際には東北大学に手術予定で入院していた患者などへの対応が主。無制限に受け入れるわけにはいかないので...