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2人緊急入院、震災下の糖尿病外来

スペシャル企画 2011年3月18日 (金)  星良孝(m3.com編集)

「新潟県中越沖地震の時の経験として、長岡中央綜合病院で糖尿病診療に取り組む八幡和明先生の話で『地震の時には2週目から混んでくる』と聞いている。来週患者の受診が増えると見ており、今は心の準備をしている」。宮城県仙台市の東北労災病院糖尿病代謝センター長の赤井裕輝氏はこう話す。赤井氏は、日本糖尿病学会が震災を受けてインスリン入手のための相談連絡先として掲げる医師の一人だ。 ケトアシドーシスに要注意 東北労災病院は仙台市の中では山側にあるため津波の被害こそなかったが、震災の影響で医師らスタッフの勤務状況は一変した。 「研修医らは全体で25人くらい診療に当たっているが、多くが帰宅していない。何割がそうなっているのかは分からない。医療機関に詰めて自宅を整理する余裕がなく、自分の部屋は足の踏み場がないようだ。水道を含めたライフラインも復旧しておらず、自宅でも生活がままならないから仕方ない」と赤井氏は話す。燃料不足で通勤できない問題もある。 診療の体制としても大きく変わっている。毎日のように、地震対策会議を開催して、状況についての情報共有を進めている。診療に関する情報の欠乏も改善してきた。現場は救急、...