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「現地は想像を絶していた、いまだ薬、ガソリン不足」

スペシャル企画 2011年3月20日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

「これまで盛岡市内におり、現地から様々な情報を聞いていたが、実際に行ってみると、被災の状況は想像を絶していた。陸前高田市には、“街がなかった”。大船渡市は高台に一部、家が残っている程度。釜石市も中心部は壊滅的。これらの市の間に、小さな街があるが、更地に近い状態で、その奥に瓦礫の山がある状態」 岩手医科大学学長の小川彰氏は3月19日、1日かけて岩手県沿岸部で、著しい被害を受けた現地を視察した感想をこう語る。同大のある盛岡市から、一番遠い陸前高田市までは車で約3時間の距離。午前8時30分に盛岡市を出発、同市に戻ったのは午後6時を過ぎていた。 岩手県には12の災害拠点病院があり、岩手医大がその中心となり、被災地の救援活動に取り組んでいる。現在は、岩手県立遠野病院に拠点を置き、医師、看護師ら約30人がチームを組み、沿岸部の被災地の救護所や病院の支援に当たっている。19日の視察は、現地の救援ニーズを探るのが目的だった。岩手県には約400の避難所があり、約5万人が避難生活を送っている。ただし、これは県が把握しているもので、「独自に数人程度で避難生活しているものが、それ以外にある」(小川氏)。 県立...