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「復興に全力を挙げられず、原発への不安も」

スペシャル企画 2011年3月20日 (日)  浦部真平(白河厚生総合病院放射線科部長)

福島県白河市は、3月11日の大地震では震度6強の揺れでした。市内では損壊した建物もあり、当院近くの葉ノ木平では住宅や店舗の裏山が崩れ、10数人が生き埋めになったことは報道されている通りです。この方たちの多くは当院に搬送されましたが、生存者は一人もおらず、それは酷い有様でした。最初の二人は姉妹で、手をつないだ状態で発見されています。最後の一人が掘り出されたかどうかの情報が、未確認です。重機の燃料がなくなり、作業が難航しているようです。 当院は3年ほど前に新築した建物で、免震構造となっておりました。かなりの揺れを感じましたが、棚の物が落ちたわけでもなく、平積みにしていた書籍がわずかに崩れた程度でした。外を見ると、車がゆさゆさと揺れる様子が見えておりました。 職員は全員無事、診療機器もすべてが無事でした。瞬間停電の影響は受けましたが、問題なく復帰しています。ガスも問題ありませんでした。唯一、放射線治療装置のみが手間取りましたが、やはり復旧させることができました。なお、3月18日現在では、福島県中通りで放射線治療が可能だったのは当院のみでした。3月22日以降は各施設が可能だと聞いています。病院...