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抗がん剤の健康被害救済、「現行制度の延長は無理」

レポート 2012年1月2日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省の「抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」(座長:森島昭夫・名古屋大学名誉教授)の12月27日の第7回会議で、「中間とりまとめ(案)」を議論、一部表現等を修正の上、了承を得た(資料は、厚労省のホームページに掲載)。 「抗がん剤の副作用による健康被害の救済は、他の一般の医薬品とは異なる制度運用上の課題が多くあり、現行制度の延長で直ちに実施可能と断言できる段階にはないと認められる」との結論。これは前回会議の森島座長の発言を受けたものだ(『抗がん剤、現行の救済制度では難しい」と座長』を参照)。 その上で、抗がん剤の使用者数、副作用頻度など、議論の前提となるデータが不足しているため、可能な限り、実証的なデータに基づく議論を進める必要性を指摘している。その際、(1)副作用被害の救済制度は、がん治療のより良い実現であり、それを阻害するものであってはならない、(2)抗がん剤の副作用については、その軽減に最大限の努力を払うべきであり、そのための環境整備を進める、(3)人口の高齢化に伴い、がん患者も増加しており、救済制度は日本の経済社会の状況と調和の取れたものにする、といった視点も同時...