1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 外来軽視、地域包括ケア偏重の今改定を糺す

外来軽視、地域包括ケア偏重の今改定を糺す

オピニオン 2014年2月19日 (水)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

2月12日、今次診療報酬改定の点数が答申された。焦点の主治医制、「地域包括診療加算」は20点と、再診料72点の3割強の水準となった。今次改定は、診療所の根幹的評価の初診料、再診料は消費税補填を除き、実質アップは全くないだけに、今後の動向が非常に注目される。しかも、同「加算」は研修要件や患者と他院との調整など、本格稼働へはその選択判断に「逡巡」や「待機」が付随し、「迷走」が予想される。その間、国会では医療法・介護保険法改定の一括法案の審議となり、医療提供体制の整備に関する県の「規制」権限強化や、県が診療所にピンポイントでお金を落とす「基金」のメニューが示されることになる。自立・自助を社会保障の基本に据えたプログラム法の下、「住まい」を中心に医療・介護が連携し、病院完結型から「地域完結型」へ、提供体制の転換が図られる。 この国策「地域包括ケア」は、2025年の超高齢社会を乗り切り、財政再生・財政再建への起死回生策だが、同時に100兆円のビジネスチャンスを当て込む企業群による医療の「商品」化を狙う思惑もあり、「同床異夢」で進んでいく。われわれは、今後の展開への危険性について、新たに警鐘する。...