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痛ましい患者の死、「墓前に説明したい」

レポート 2014年4月4日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

「患者さんが双葉病院から避難する過程で、痛ましい、むごい死に方をされたことに対して、私は責任を感じており、心を痛めている。福島県からの説明を踏まえ、それを墓前に報告する義務がある」 双葉病院(福島県大熊町)を運営する医療法人博文会理事長の鈴木市郎氏は、2011年3月の東日本大震災に伴う福島第一原発事故直後の困難を極めた患者避難を、昨日のことのように思い浮かべながら、力強く語る。博文会は震災から3年目に当たる2014年3月11日、福島県を名誉棄損で提訴した(『「謝罪広告」と説明求め、福島県を提訴』を参照)。 鈴木市郎理事長は、今年9月で80歳。裁判を通じて患者避難の経過が明らかになることを期待する。 3年前の2011年3月18日。地元紙に限らず、全国紙でも、「患者搬送に付き添わず」「取り残された患者ら、避難所で14人が死亡」など、あたかも双葉病院の対応に問題があり、病院からの避難に伴い患者が死亡したように受け取れる記事が大々的に掲載された。 しかし、事実は異なる(『“双葉病院事件”の真相、当事者医師、語る』を参照)。患者の避難が遅れたのは、双葉病院は、県や大熊町、自衛隊など、関係機関に再...