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安い薬求める患者、保険者の意向

オピニオン 2014年4月2日 (水)  青柳俊氏(先見創意の会代表幹事)

最近、患者さんが保険者から託された「カード」を持参することが多くなった。 高い薬でなく安い薬を処方してくださいとの意思表示のようである。 当院では扱う薬の品目も少なく、また患者さんの自己負担の軽減と待ち時間の節約を考えて院内投薬を続けているが、いくつか誤解があるように思っている。 まず、調剤薬局とは違い、高い薬と安い薬を用意できるような体制にはないため、出来る限り安い薬(全体の90%)を購入し、処方することにしている。 しかし、いくつか疑問を抱くこともある。同じ容量の錠剤でも大きさが異なる場合があり、説明ができない。薬剤の効果データの改ざんが報告されている現状では、素直に高い薬から安い薬への切り替えも躊躇させられる。安い薬に切り替えたばかりで製造を中止するメーカーも現れている。 皮膚科では外用剤による治療が中心であり、外用剤については扱う薬剤には慎重になる。同じ成分が同じ容量で含有されていても、軟膏基剤によっては成分のリリースや経皮吸収に差があり、効力に相違があるため、高い薬と安い薬が同程度の効力を示すとは限らないからである。貧乏人には安い薬をとの提案もあったように思うが、現在の状況で...