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不足する感染症のプロ - 外科医のための感染症 Vol.1

オピニオン 2014年5月27日 (火)  岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

シリーズ外科医のための感染症1なぜ外科医のための感染症なのか さて、このシリーズは「外科医のための感染症」と銘打っています。なぜ、このようなシリーズを始めるに至ったのでしょう。 それは、かつてないほどのスピードで医学・医療が進歩しているからです。 1950年時点で、医学知識が倍になるには50年かかっていました(doubling time)。1980年にはこれが7年になり、2010年には3.5年になっています。2020年には、なんとたったの73日で医学知識は倍になると見積もられています(Densen P. Challenges and Opportunities Facing Medical Education. Trans Am Clin Climatol Assoc. 2011;122:48–58.)。 我々はDr.コトーのような「何でもできる」医者に憧れますが、どんなに博覧強記の天才的な頭脳を持っていても、メフィストフェレスに魂を売り渡しても、すべての領域において医学知識を最新の状態にキープしておくことは原理的に不可能な時代なのです。 外科領域も近年は細分化が進んでいます。例えば、...