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鼻血患者増えず「放射線影響、あり得ない」と福島の医師――鼻血漫画の影響Vol.1

レポート 2014年6月18日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

小学館のビッグ・コミックスピリッツに連載されている漫画「美味しんぼ」の中で、作中の人物が鼻血を出すなどの表現が波紋を広げた問題。福島県相馬地区で診療を続きてきた医師2人に、放射線と鼻血の関係の考え方や、社会的影響を聞いた。放射線の影響については否定的な見解が強く、「あり得ない」と話す医師がいる一方、メニエール病の増加や、放射線防護学の問題点などが浮き彫りになっている。 変わらない鼻出血患者数 福島県相馬市に位置し、福島第一原子力発電所周辺の双葉郡、南相馬市のほかに、宮城県南部からも広く患者を受け入れる公立相馬総合病院。耳鼻咽喉科の医師長谷川純氏は、騒動を受けて、2011年以降の診療データをまとめた。耳鼻科外来の受診人数は毎月1200人から1600人程度いる中で、「鼻出血」の患者数は、2011年度から2013年度にかけて月130人前後で大きな変化はなかった。出血部位や粘膜損傷の程度は精査できていないという。 地域の学校健診も実施している長谷川氏は、「近隣で程度がひどく、頻回に鼻血が出るような人には、震災後に会ったことがない。鼻血を訴える子どもの数も震災前と変わらない」と述べた上で、「相馬...