1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「耐性菌がいない」病院の危うさ

「耐性菌がいない」病院の危うさ

オピニオン 2014年6月19日 (木)  岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

みなさんのお勤めになっている施設でも感染対策チーム(ICT)があることと思います。最近は感染採択加算が取れるようになったことから、多くの病院で感染対策を一所懸命にやろう、という気運が高まっています。まあ、それはもちろん「悪いこと」ではありません。 サーベイランス(surveillance)は、主に病院内の感染症や耐性菌についてのデータをまとめる作業のことを言います。ですが、テクニカルな話は実際に感染管理をやっている担当者、多くはICN(Infection Control Nurse)におまかせ、でよいと思います。 ちなみにICNなんですが、日本看護協会が認定する資格です。6ヶ月間の「フルタイムの」訓練と試験の合格によって初めて得られる資格です。ICNという資格取得には、世界でも希有な集中専門家育成コースを経る必要があるのです。日本のICNの感染管理能力は極めて高く、それは世界基準に照らし合わせても決してひけを取るものではありません。 しかしながら、インフェクション・コントロール・ドクター(ICD)のほうは、ICNに比べるとかなり見劣りします。医師資格や博士号といった「関係ないタイトル」...