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保険外併用療養の「乱用」に反対

オピニオン 2014年10月10日 (金)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

政府が主導する国家戦略特区の「東京圏」(東京都・神奈川県・成田市)の関係会議が10月1日、開催され特区の具体的「計画」の素案が提示された。メニューには外国医師による全ての外国人の診療や病床規制の特例とならび、保険外併用療養(混合診療)の更なる緩和が盛り込まれている。既に政府「認定」された「関西圏」の計画とも軌を一にするこの策動は、健保法改定による患者申出療養の創設に先行する内容となっている。大学病院等での「治験」未実施、「治験」を度外視した未承認等の医薬品使用の拡大、そのための「スピード」化と、保険外併用療養を“隠れ蓑”に、医療倫理を欠いた実験医療へのお墨付きを求めている。しかも、この実験医療へ、健康保険の財源を横流しし、流用にさらに拍車をかけるものとなる。われわれは、健康保険、保険診療を潜脱し、保険診療を壊す、この国家戦略特区の計画を厳しく指弾し、警鐘をする。 ◆先進医療の混合診療は審査6カ月、未承認の抗がん剤使用は3カ月のスピード審査 保険外併用療養は、合法的な混合診療として制度化されており、医療技術・医薬品は保険診療への導入のふるいに定期的にかける「評価療養」として認められている...