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がん患者の立場に立った治験情報サイト必要

オピニオン 2014年11月15日 (土)  大野竜三(愛知県がんセンター名誉総長)

私は本年11月15日の朝日新聞「私の視点」において、「がん治験情報 一般向けの検索サイトを」と題し、患者本位の治験情報サイト新設を訴えた。1100字という限られた紙面であったことと読まれなかったm3.com読者にも実状を知っていただくために、より詳しく説明してみたい。 私は名古屋市の患者団体NPO法人ミーネットと協力しボランティアでがん相談を行っているが、訪ねてくる患者さんや家族のほとんどが現行の標準的治療法が効かなくなったために、今後の治療方針等につき相談に来ている。既存治療が無効となった患者さんが頼りとするのは新治療法であり、ネットで検索すると真っ先に出てくる巷の免疫療法に関する相談や現在開発中の新薬についての情報を求められることが多い。 エビデンスのない巷の免疫療法を私がお勧めすることは絶対ないが、過去に白血病の画期的治療薬の開発過程で総括責任医師として治験に参加してきた経験から、これらの患者さんを治す可能性のある治療は治験しかないと思うケースが多々ある。 ところが、ご自身のがんと治療法についてある程度知識を持った患者さんが、ご自分のがんに対し現在わが国でどのような治験が行われて...