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指導医講習「16時間連続」の無意味

オピニオン 2014年12月4日 (木)  岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

神戸大に異動した2008年、ぼくはそこで行われていた指導医講習会があまりに「富士研」そのままで退屈で退屈で仕方がなかった。指導医講習会ではなくて「あくび指南」なのではないかと思ったくらいだ。 なので、すぐに制度設計した。「原則」的に行われていた泊まりがけ、2泊3日という方法では忙しい指導医たちは時間創出もままならないし、疲弊してしまう(たいてい疲れきります)。そこで六甲の山奥(別名サティアン)に軟禁されてやっていた講習会を神戸大病院での日帰り講習にし、2日の(宿泊なし)のプログラムに再編し、改革したタスクのメンバーも一掃し、「上司に命令されていやいや」参加する講習会を「金を払ってでも出たい」講習会に変じてきた(事実、神戸大の学生は金こそ払わないが、誰にも強要されないボランタリーな形でこの講習会に参加し、多くを学んでいる)。 今年もその講習会が行われたのだが、2つのアクシデントがあった。ひとつはもっとも期待されていたタスクのひとり内田樹先生のご参加が急遽叶わなくなってしまい、シンポジウムの調整を必要とされたこと、もうひとつは参加者の一人が緊急オペのために、7割くらい参加された時点でやむな...