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「T字型の知識」、涵養の機会に - 井村裕夫・第29回日本医学会総会会頭に聞く◆Vol.4

インタビュー 2015年1月27日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――各テーマとも重要ですが、難しい問題だと思います。 難しいです。けれども、それが現実ですから、特に若いドクターには、時には医療全体の将来を見て考えてほしい。普段は自分の専門分野に一生懸命に取り組んでおり、それで手一杯だと思います。しかし、やはり時にはもう少し幅広く、日本の全体の医学、医療を見てほしい。その中で自分の将来の方向も考えてほしいと思うのです。 井村裕夫氏は、今回の医学会総会への参加者は、4万人を期待しているという。 ――そこがお聞きしたかった点ですが、若手医師からは、医学会総会を開催する意味、出席する意味を問う声が上がっているのが事実です。 確かに忙しいとは思いますが、やはり専門だけを考えていたのでは、やっていけない時代になってきています。先ほど申し上げたように、日本の医療がある意味では危機的な状況になっているからです。 今の日本にとって深刻な問題として、人口の減少だけでなく、人口が移動して、いまだに首都圏への集中が進んでいる現状があります。その結果、地方には若い人がいなくなる。高齢者の健康をどうやって支えるのか。「一県一医大構想」として、医学部・医科大学を作りました。それ...