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専門家の言うがままの日本の現場

オピニオン 2015年2月8日 (日)  岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

ABIMから「We got it wrong, we're sorry」というメールが来て心底びっくりした。 Board of Internal Medicine(ABIM)は米国医師会(AMA)と米国内科学会(ACP)が設立した専門医養成に特化した団体である。内科系専門医の必要要件や専門医試験、専門医資格維持のシステムを全てここで作っており、各学会からは独立してるのが特徴だ。日本のように学会べったりで、学会にお金を払い、総会に参加することでご褒美のように専門医資格をもらえるのとは大きく異なり、よってアメリカの内科系専門医の実力は専門医資格によってかなり担保されている。誤解してはいけない。日本にも優秀な内科医はたくさんいる。しかし、それを専門医資格が担保していないのだ。 しかしながら、近年ラディカルに制度改革を進めてきたABIMはあまりにラディカルであるため批判を浴びてきた。例えば、内科専門医資格は10年おきに更新試験を受けることになっているが、試験を前倒しに受けることが可能であった。ぼくも前倒しに試験を受けた。2年前倒しに試験を受ければ、次の試験は12年以内に受ければ良い仕組みだった...