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秋田大、1年生からOSCEの意味

オピニオン 2015年2月15日 (日)  森宏一郎(滋賀大学国際センター准教授)

秋田大学のユニークな医学部教育から衝撃を受ける機会があった。医学部1年生に対して、初期鑑別診断を踏まえた、客観的臨床能力試験(厳密には試験をしているわけではなくて、同様の訓練)通称オスキー(OSCE: Objective Structured Clinical Examination)を実施しているのである。 オスキーは、医学部5年生が病院実習に出るために、その前に受ける臨床訓練の一環として実施されるもので、通常、医学部4年生が受ける試験である。そのトレーニングも通常、4年生の間に行われ、早くても3年生時点からとなる。それを1年前に高校生であった医学部1年生から継続的に学習させていくのだ。 一体、この背景には何があるのだろうか。本コラムでは、現場で直接的に見た、医学部1年生のオスキー・トレーニングの実態を紹介しながら、その背景を整理しよう。 ◆深刻な東北地方の医師不足 その背後には、深刻な地方の医師不足がある。医師・歯科医師・薬剤師調査によると、平成24年12月31日時点で、日本の人口10万人当たりの医療施設従事医師数は226.5人である。他方、秋田県は207.5人となっている。 図1...