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ついにマスコミも調剤薬局にロックオン

オピニオン 2015年2月17日 (火)  渡辺亨(浜松オンコロジーセンター院長)

がん治療では、点滴抗がん剤副作用(吐き気、感染症など)の予防・緩和のための飲み薬、飲み薬の形の抗がん剤、そして今後主流となる分子標的薬剤が、「院外処方」により、「調剤薬局」で処方される。 この「院外薬局」については、降圧剤、高脂血症治療薬、胃薬、便秘薬、風邪薬などの、特に問題のない薬が主たる対象となってきたが、ここに、がん治療につかわれる前記の薬剤も加わるようになって、様々な混乱が生じている。吐き気どめ、浮腫予防などに使用するステロイド剤、通常よりも短期間に多い量が使用されるが、これに対して不勉強な調剤薬局薬剤師が「こんな量を使うなんてとんでもない!」と患者に言ったため混乱した話、内服抗がん剤ティーエスワンが男性患者に処方されたが、奥さんが調剤薬局に薬を買いに行って、本人と勘違いして、病名も確認せず、腎機能も確認せず、処方されたけど、トンチンカンな説明で混乱した話・・・。なので、がん治療においては、内服薬の院外調剤は不適切だと思っている。 2月9日、多地点看護カンファレンスで提示された症例でも、患者が正しく服薬できなかった原因の一端は、院外調剤薬局にあったと考えられるような事例であった...