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「患者申出療養」、第一線医療への打撃必至

レポート 2015年2月21日 (土)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

3月上旬に、「患者申出療養」(仮称)の創設が医療改革関連法案に盛り込まれ国会に提出される。これは患者の申し出を「起点」に、保険外の医薬品や医療技術と健康保険との併用を認めるもので、現在の保険外併用療養(混合診療)の「評価療養」(先進医療等)、「選定療養」(差額ベッド等)に次ぐ第3類型となる。施政方針演説で改革断行として首相が触れたが、この新類型のスキームは高度な医療研究を牽引する臨床研究中核病院の信頼を崩し、第一線医療を担う開業医、かかりつけ医の診療に混乱を来す危険性が高い。医療倫理、健康保険の運用上も問題が大きい。われわれは患者申出療養に改めて反対する。 ◆法定化した臨床研究中核病院の門出に不安 杜撰な「実施計画」、未確立な医療の蔓延に懸念 混合診療とは保険外と健康保険との混合、保険外「混合」診療である。これを厚労省の管理下で合法化し制度にしたものが「保険外“併用”療養」である。 いま保険外の医療技術、医薬品等は「先進医療A、B」として併用が認められており、薬事法(現「医薬品医療機器等法」、以下同じ)で未承認の医薬品・医療機器は、「臨床研究」の枠内で「実施計画」を策定し、使用する便法...