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高致死率の感染症の現状

オピニオン 2015年3月15日 (日)  外岡立人(医学ジャーナリスト、医学博士)

昨年(2014年)春以来西アフリカのエボラ出血熱(エボラ)流行が年末まで続き、世界的拡大、すなわちパンデミックの脅威が高まっていた。 今、エボラは終息に向かいつつあるが、感染者ゼロにならない限りいつ再流行するか分からないと言われている。エボラ流行地であった西アフリカのリベリア、シエラレオネ、およびギニアの3カ国首脳は4月中旬までに新規感染者発生をゼロにすることを目標とし各国の協力を求めている。 エボラは昨年9月頃には感染者数が対数的に増加していて、その終息には1年以上要するとWHOは予測した。また、米国のニューヨークタイムズ紙も専門家達の意見を多く紹介し、有効な対策がとられなければ1年から1年半以内に数十万人の感染者が発生、その半数以上が死亡する可能性が高いと世界に警告した。 その後、慌てたように欧米各国は、エボラ終息に向けて支援部隊や支援金の提供を行い、11月以降、西アフリカのエボラの新規感染者数は減少傾向を示すようになった。慌てた理由には、欧米から人道的支援で西アフリカに出向いていたNPO組織の医療担当者達が感染して母国で治療を受けるケースが増えだしたことと、旅行者、または帰国者の...