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勤務医の過労自殺、上司の個人責任認めず

レポート 2015年3月18日 (水)  成相通子(m3.com編集部)

公立八鹿病院(兵庫県養父市)に勤務していた整形外科医が長時間労働とパワーハラスメントで過労自殺したとして、整形外科医(当時34歳)の両親が、病院を運営する公立八鹿病院組合と上司の医師2人に対し計約1億7700万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3月18日、広島高裁松江支部であった。塚本伊平裁判長は、長時間労働とパワハラを認定した上で、「亡くなった医師を含む職員は地方公務員で、(上司の業務も)公権力の行使に該当する」と指摘、病院組合と上司医師2人が連帯責任で約8000万円の損害賠償を支払うよう命じた一審判決(鳥取地裁)を変更し、上司の個人責任は認めなかった。 また、損害賠償の金額は一審の約8000万円から約1億円に増額。病院組合に対して支払いを命じた。一審判決では、過労自殺したのが医師で、「一般人よりうつ病に対する知識があったのに、発症可能性を軽減する行動を自ら取っていなかった」として過失相殺を認め、賠償金額が減額されていた。控訴審では、過失相殺を認めなかった。 控訴審判決によると、整形外科医は2005年4月に医師免許を取得。2007年4月に鳥取大学医学部整形外科教室に入局、同大整形...