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「息子の名誉が回復された」、一部は評価

レポート 2015年3月19日 (木)  成相通子(m3.com編集部)

「ここまで認められていて、なぜ(個人の賠償責任は)認められないのか。納得がいかない」。公立八鹿病院(兵庫県養父市)に勤務していた整形外科医が過労自殺し、病院と上司2人に対し損害賠償を求めた裁判の控訴審判決で、約1億円の損害賠償が認められたが、判決後に会見した医師の父親は険しい表情を崩さなかった。広島高裁松江支部は3月18日、過重労働とパワハラを認定し、病院を運営する組合に約1億円の支払いを命じた(『勤務医の過労自殺、上司の個人責任認めず』を参照)。 両親は、控訴審判決について「息子の名誉が回復された」と高く評価しつつも、頭を叩くなどの暴行まで行った上司個人の賠償責任が、国家賠償法で免責されたことに強い憤りをあらわにした。控訴審判決では、一審が認めた過失相殺を否定し、賠償額が約8000万円から約2000万円増額した一方で、上司の医師2人への請求は一審判決とは異なり棄却した。 会見した弁護士。左から岩城穣氏、林裕悟氏、中森俊久氏。 会見した岩城穣弁護士は「今の医療現場の一端を示しており、全体として労働実態に踏み込んだ判決で非常に良かった」としたものの、上司個人の賠償責任が認められなかったこ...