「大学医局の常識」の非常識
オピニオン
2015年4月25日 (土)
岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)
昨日は産婦人科の先生方に感染症の基本についてお話。医学知識が爆発的に増大している現在、全ての専門領域についてまっとうな知識を持つのは不可能であり、大事なのは知識そのものではなく「考えかた」と「情報収集、吟味の方法」ですよ、という「いつもの」お話。学会のランチョンセミナーで「なんとかマイシンを中心に」みたいなレクチャーで勉強してはダメですよ、なんとかマイシンを使えるためには、なんとかマイシンの知識だけではなく、他の抗菌薬との相対比較が出来なきゃダメですから。とかなんとかいう話をした。 ま、それはともかく、内科学会と感染症学会が続いたのでわりと忙しい日々であった。ここでは医局と学会の訳の分からないネタについて論ずる。 ぼくはもともと医局育ちではない。ので、医局の「常識」が理解できない。タコツボ内の常識は外から見ると非常識だからだ。 で、謎その1。学会になると医局員全員学会参加するところが多いけど、あれおかしいでしょ。医局員全員いなくなったり、あるいは留守番ひとりだけ残したりすると、その間の診療アクティビティはガタ落ちする。手術のある外科系はなおさらだ。 だいたい学会なんて数人だけ出しておけ...
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