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養成医師の7割が流出する県も、医師流出入推計

レポート 2015年5月18日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

慶応大学医学部5年生の岡田直己氏が4月に開催された第112回日本内科学会講演会で発表した「医師流出入動態推計」が話題になっている。都道府県ごとに医師の流出入数を算出した結果、全国7県では、養成数の過半数を超す医師が他県に流出している一方で、千葉、埼玉の2県では自県で養成した医師の2倍以上の医師が流入するなど、医師の流出入には地域差が大きいことが明らかになった。4月の発表以降、地方自治体からも問い合わせがあると言い、 岡田氏は「医師不足解消のためにも客観的な数値が不可欠」と研究の意義を語る。 調査期間は1994年から2012年までの18年間で、厚生労働省の公開データから都道府県別に、各地域にある医学部での「養成数(医師国家試験合格者数)」と「実際の増加数」を算出。同期間の死亡(廃業含む)数を推計し、養成数から除いた数値を計算上の増加数とし、「実際の増加数」の差を流出入数とした。例えば東京都におけるある1年では、1292人が養成された一方、436人が死亡しており、計算上の増加数は856人となる。一方で実際の増加数は648人だったので、208人(養成数の16%)が他県に流出したと推計した。 ...