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患者申出療養、実質は混合診療の自由化

レポート 2015年5月31日 (日)  神奈川県保険医協会(理事会声明)

医療制度改革関連法案が5月27日、参院本会議で可決され、成立した。39本もの法律を一括法案とする「異常」や、審議時間が実質、衆院19時間、参院18時間の「拙速」は、重要法案では過去に類例がなく、民主主義のルールを大きく踏み外し、憲政史上に重大な禍根を残した。それ以上に、法案は参院審議でも明らかになった混合診療の「自由化」、未確立な医療、実験医療の蔓延の危険や、社会保険の民間保険化に道を開くなど、時代転換的な内容を多岐に含んでおり、皆保険制度、社会保障制度に大きな風穴をあけるものとなっている。第一線医療を担う開業医団体として地域医療を壊す、今法案の成立に断固抗議する。 ◆矛盾の集約点、患者申出療養 実質は混合診療の自由化 やはり同床異夢だった「実施計画」 参院の委員会審議では、「患者申出療養」に大半の質疑が集中。制度の矛盾が次々と明らかになり、大臣、局長答弁が支離滅裂となっている。 最たるものは、臨床研究の倫理指針に基づく実施としつつ、「実施計画(プロトコル)」の適格基準外への実施を予定している点にある。このプロトコル逸脱、倫理違反に関し、患者申出療養では「実施計画=プロトコル」ではなく...