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総合診療医養成のコアは大学であるべき

レポート 2015年6月15日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

茨城県つくば市で開催された第6回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会の2日目となる6月14日、シンポジウム「総合診療医養成に大学が果たすべき役割」が開催された。文部科学省GP「リサーチマインドを持った総合診療医の育成」に採択された3大学が自大学の取り組みを紹介。「地域枠」で入学する医学生が増加し、地域に根差した教育の重要性が増す一方で、プライマリ・ケアの領域であっても研究に力を入れる必要性があるとの指摘があった。 大学病院は総合診療医養成に不向き 最初に登壇した筑波大学医学医療系地域医療教育学教授の前野哲博氏は、「筑波大学における大学-地域循環キャリアパスの構築」と題した講演の中で、「(総合診療医養成の場として)はっきり言って大学病院は向いていないが、コアになり得る」と主張した。 特定機能病院である大学病院では、地域医療で求められる「継続性」「包括性」が望めない一方で、地域医療の現場では指導医や教育の時間がないと指摘した上で、「両者をつなぐ必要があり、豊富なネットワークと選択肢を持っている大学はコアになり得る」と説明した。個人のキャリア形成の点からも、大学医局に所属することで、出産育児...