薬剤師の法律問題SOS
オピニオン
2015年7月3日 (金)
赤羽根 秀宜氏(薬剤師・弁護士)
昨今の薬剤師不足もあるのか、正社員雇用の薬剤師が退職を申し出ると、会社から「退職には許可が必要だ」「会社の規定で辞めるのに6ヶ月かかる」などと、引き留めにあったという話を聞きます。 今回は、会社から強引な引き留めにあった場合の法律上の問題について解説します。 正社員は申し入れから2週間で退職できる 正社員は「期間の定めのない労働契約」(特に退職の申し出などがなければ定年まで労働するという契約)を締結しているのが通常です。「期間の定めのない労働契約」においては、民法626条1項で「いつでも解約の申入れをすることができる」と定められており、原則として退職の自由が認められています。また、「解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」(民法627条1項)と定められているので、原則、申し入れ日から2週間の経過で企業と社員の契約は終了します。 退職を制限する会社の規則は無効 では、会社が「退職する際には会社の許可が必要」というような契約や「退職する場合は6ヶ月前に申し入れる」といった就業規則を定めていた場合はどうでしょうか。会社の承諾がなければ、薬剤師は退職することはできないのでしょ...
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