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2015年薬局業界のトレンド

オピニオン 2015年7月13日 (月)  藤田 道男氏(医薬ジャーナリスト)

「災い転じて福と成す」きっかけに 2015年は薬局の不祥事から始まったように感じる。 2月には大手ドラッグストアの子会社による薬歴未記載問題が発覚し、続いて別の企業でも同じような事例が報告。さらに、調剤薬局による無資格調剤も表面化した。 このことは、最近相次いでいる調剤バッシングの動きを助長させ、規制改革会議や経済財政諮問会議、財政制度等審議会などにおける「医薬分業の在り方論」にも波及している。これらの会議では医薬分業の費用対効果や患者のメリットに対する厳しい意見が出ており、16年度の調剤報酬改定に暗い陰を落としている。 薬局関係者はこうした現状をどう受け止めるべきなのだろうか。そもそも、現在の調剤バッシングは、ダブルチェック機能を主体とした薬物療法の安全確保のための医薬分業制度そのものを否定しているのではなく、「調剤の在り方に対する批判」であることを理解しておかなければならない。 もし、医薬分業を全面的に否定するのであれば、院外処方を院内処方に戻す方策が議論されるはずだが、実際の動きはその方向にはない。むしろこれを機に「かかりつけ薬局」の定着にどう結び付けるかという議論が進んでいる。...