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「ビッグデータに振り回されるな」、京大教授指摘

レポート 2015年8月19日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

日本製薬工業会のメディアフォーラムが8月18日に開かれ、京都大学大学院医学研究科教授の中山健夫氏が、医療における「ビッグデータ:今後の展望と活用」と題して講演した。ビッグデータの利点を強調する一方で、データの規模が大きいほど、有意差が出やすくなり、結果に振り回される可能性を指摘して注意を促した。また、ステロイド性骨粗鬆症の予防投薬の状況をレセプトを基に調べた際、ガイドラインに準拠した診療をしている割合が低いことから「少しまずいのでは」と述べる場面もあった。 ゲノム使わないゲ個別化医療の可能性も 中山氏は、ビッグデータについて、「Volume(容量)」、「Velocity(迅速性)」、「Variety(多様性)」、「Veracity(正確性)」の4Vsの定義を紹介。医療でビックデータを活用する場合、多様性の観点からは、検査データ、身体症状など個人に属するデータから、医療制度、環境要因などの社会的要因まで、考慮に入れる指標になる可能性を指摘した。正確性については、データ規模が拡大すれば正確になるとする一方、「真の値からバイアスが少ないことが必要」として、実際にデータを集めた際の偏りを考慮す...