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損益率「悪化」が半数と実態調査で判明、マイナス改定に反対

オピニオン 2015年11月10日 (火)  桑島政臣(神奈川県保険医協会政策部長)

医療経済実態調査が11月4日公表され、「損益率」が「マイナス」(赤字)となった一般診療所が17.8%、歯科診療所が7.9%、「対前年度増減」で「マイナス」(経営悪化)となった一般診療所が56.4%、歯科診療所が49.3%と半数を占めることが判明した。早くも財政制度等審議会で、診療報報酬の本体マイナスが提唱されたが、それでは皆保険で全国事業の医療提供に支障を来す。医療の再生産や、患者へ提供する医療の質、医療基盤の安定を保障するものが診療報酬である。われわれは医療の持続可能性を高め患者・医療者に希望の「灯」をともすためマイナス改定に反対しプラス改定を強く求める。 ◆保険診療費の中央値(医科診療所5,000万円、歯科診療所2,500万円)周縁の損益差額の提示を 医療経済実態調査は診療報酬の「改定率」の斟酌指標とするため実施される。そこで見られるべきは「保険診療収入」と「費用」、「損益差額」(=「医業等収入―医業等費用」)である。ただ、調査結果はいくつか問題がある。(1)前回の調査方法の変更で連続する事業年度対比となったが、事業年度終期が前回改定年度(H26年度)内に1カ月でもあればH26年度...