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ジェネリックを容認するか?

オピニオン 2015年11月21日 (土)  岩田健太郎(神戸大学大学院医学研究科・微生物感染症学講座感染治療学分野教授)

ジェネリックについて詳しくは「薬のデギュスタシオン」の金城紀与史先生の論説をご覧頂きたい。 結論からいうと、ぼくはジェネリック(後発医薬品)容認派である。「容認」というのは積極的にジェネリックだけを使う、という意味ではないが、かといってジェネリックはだめだ、と否定はしないという立場である。 ジェネリックは先発品(新薬)と同じ有効成分が同じ量入っている。生物学的同等性試験を行い、その血中濃度も同じであることが確認されねばならない。また、近年では先発品との前向き比較試験も多く、短期的には降圧薬、抗凝固薬や抗血小板薬などで短期的な臨床アウトカムには差がないことが分かっている。 ジェネリックは高額な臨床試験をヘッジしているので安価に供給できるのが最大のメリットだ。確かに日本の国民皆保険制度のおかげで患者負担は大きくないから、ジェネリックの旨味は他国よりも小さい。しかし、生物学的製剤や分子標的薬など近年の医薬品は高額化が目立ち、3割負担であっても患者の支払い能力を超える場合が多くなっている(まあ、生物学的製剤のジェネリックは作りにくいらしいので、ここでの議論からはずれるが)。 たとえ高額医療制度...