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「レジリエンスで医療安全を」、鹿大病院長

レポート 2015年11月23日 (月)  高橋直純(m3.com編集部)

第48回日本薬剤師会学術大会が11月22、23の両日に鹿児島市内で開催され、22日には鹿児島大学医学部・歯学部付属病院長の熊本一朗氏が「医療情報と医療安全」と題した特別講演で、「失敗から学ぶことには限界があり、医療安全でも、しなやかに状況に適応する力(レジリエンス)が重要」と訴えた。 鹿児島大病院では1983年から全国に先駆けて医薬品オーダリングシステムを導入。診療の流れを時系列に参照できる独自の電子カルテを開発するなど電子化に力を入れており、蓄積した情報を分析することで、病院経営の改善にもつながったと説明した。 医療安全については「To err is human(人は誰でも間違う)」という前提に立った対策が必要と強調。ミスが起こる環境の存在を認識するためには、病院長の仕事は「インシデント報告を増やすこと」だとし、インシデントレポート提出の意義を「患者安全の確保」や「事象の共有」などと説明した。その中でも「透明性の確保」を強調し、群馬大学や東京女子医科大学で生じた問題を例に挙げて、「インシデント報告が、悪質な隠匿や隠匿の意思がなかったことの証左になる」と話した。 インシデント報告で病院...