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薬剤師の役割「治療的健康教育の担い手に」

レポート 2015年11月25日 (水)  高橋直純(m3.com編集部)

11月23日に開催された第48回日本薬剤師会学術大会で、産業医科大学医学部公衆衛生学教室教授の松田晋哉氏が特別講演「超高齢社会における地域医療のありかた」の中で、「治療的健康教育が重要となり、薬剤師はその担い手になる」と、薬剤師への期待を込めて語った。 財政赤字、先送りは続けられず 松田氏は講演の冒頭、日本の財政状況を説明。社会保障費が一般会計の3割を超え、「消費税を全部充てても20兆円足りず、赤字国債で将来世代に先送りしている。さすがに続けられないだろう」。保険収支の赤字幅の縮め方(医療費の適正化)を(1)収入増、(2)支出減、(3)効率化の3パターンに分けて、それぞれ議論した。 「(1)収入増」では保険料率を取り上げ、日本は国際的に見て水準が低いと説明。特に中小企業が多い協会けんぽと大企業中心の組合健保では、前者の賃金水準が低いにもかかわらず保険料率が高いことを問題視。「中小企業は大企業の下請けになっていることも多く、労働の搾取になっている。連帯という観点からも被用者保険の保険料率の水準を合わせるべき」と指摘した。 「(2)支出減」では、ジェネリックの使用促進について、地域によって...