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乳腺外科医事件、前立ち医師「被害届に愕然とした」-八巻秀人・柳原病院外科医局長に聞く◆Vol.1

インタビュー 2019年4月12日 (金)  高橋直純、岩崎雅子(m3.com編集部)

男性外科医が、自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された事件。東京地裁の一審では無罪判決が言い渡されたが、検察は控訴し、引き続き法廷での争いが続く。男性外科医と共に手術に当たった柳原病院外科医局長で、「外科医師を守る会」呼びかけ人の八巻秀人氏(これまでの裁判記事では「前立ち医師」と表記)に、事件当時の出来事や、病院の対応、「守る会」の活動などを伺った(2019年3月14日にインタビュー。全2回の連載)。 ――最初に一審判決および検察の控訴という判断についてご感想をお聞かせください。 そもそも事実無根の出来事ですから、ほっとしたというより、無罪で当然だと考えています。男性外科医は105日間も不当に逮捕勾留され、起訴されてから2年4カ月も裁判で闘い、ようやく無罪をはっきりさせることができました。 控訴については、とても残念で悲しいです。なぜなら患者さん(Aさんと表記)も、せん妄で被害に遭ったという気持ちを持ち、それが変わらない被害者だからです。司法を通じてせっかく2人の被害者(患者、医師)を引き離してくださったのに、裁判で争えばさらにお互い...