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ADA欠損による重症複合免疫不全症に遺伝子治療が有効

2021年5月21日  New England Journal of Medicine

アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損による重症複合免疫不全症(ADA-SCID)患者50例(米国試験30例、英国試験20例)を対象に、ヒトADAをコードする自己不活型レンチウイルスベクターを体外に(ex vivo)形質導入した自己CD34+造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)を用いた遺伝子治療の効果を検討。24カ月間追跡した米国の試験2件(新鮮細胞および凍結保存細胞使用)と36カ月追跡した英国の試験1件のデータ(新鮮細胞使用)を併せて解析した。 24カ月時および36カ月時の全生存率は全試験で100%だった。無イベント生存(酵素補充療法の再開および救済としての同種造血幹細胞移植がない)率は、12カ月時で97%(米国試験)および100%(英国試験)、24カ月時でそれぞれ97%と95%、36カ月時で95%(英国試験)だった。免疫再構築が達成され、米国試験被験者の90%および英国試験被験者の100%がそれぞれ24カ月時および36カ月時までに免疫グロブリン補充療法を中止した。単クローン性増加や白血球増殖性の合併症、複製可能なレンチウイルス出現の証拠は認められず、自己免疫疾患または移植片対宿主病...