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重大な頭部外傷既往歴がある女性囚人に家庭内暴力との関連

2021年5月28日  専門誌ピックアップ

英スコットランドの刑務所4軒で、女性囚人の頭部外傷、併存疾患、障害と犯罪の関係を検討すべく、横断的研究を実施。16歳超の女性囚人109例(対面評価の参加や同意書提出が可能で認知機能や意思疎通に関わる急性疾患がない)を解析対象とし、頭部外傷既往歴の有無で比較した。 その結果、対象者の78%に重大な頭部外傷(SHI)が見られ、そのうち40%は障害を伴っていた。SHIのある女性の84%に複数回の頭部外傷が報告されており、ほとんどの場合が何年にもわたる家庭内暴力(DV)によるものだった。SHI歴のある女性は、SHI歴のない女性よりも暴力犯罪歴がある確率が高かった(SHIあり群79% vs SHIなし群54%、オッズ比3.1、95%CI 1.2-8.1)。心的外傷後ストレス障害に伴う併存疾患など現在の因子で補正後もこの影響はなお有意(同3.1、1.1-9.0)で、小児期または成人期の虐待など過去の因子で補正後、有意ではなくなった(同3.3、1.0-10.9)。刑務所収容期間は、現在の危険因子(率比3.4、1.3-8.4)または過去の危険因子(同3.5、1.3-9.2)で補正後、SHIのある女性...