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先天性オートファジー障害の生存例の検討

2021年7月1日  New England Journal of Medicine

中核的なオートファジー関連(ATG)遺伝子の欠損がヒトの発達に及ぼす影響を検討。5家族12例を対象に、遺伝子的、臨床的、神経画像的な解析を実施するとともに、患者由来の線維芽細胞、骨格筋の生検標本、マウスの胎仔線維芽細胞、酵母を用いてオートファジーの機序を調べた。 対象患者には、古典的分解性オートファジーに不可欠なタンパク質をコードする中核的なATG遺伝子ATG7に有害な劣性変異が認められた。異なるATG7変異を有する患者に脳、筋肉、内分泌に関わる複雑な神経発達障害が認められ、小脳と脳梁の異常、さまざまな程度の顔面異形が見られた。患者は、ATG7タンパク質の減少または欠損に起因するオートファジーフラックスの障害がありながら生存していた。オートファジーによる隔離は著しく減少していたが、ATG7が欠損した線維芽細胞や骨格筋で基底オートファジーの存在が容易に確認できた。有害なATG7変異でさまざまなモデル系を補完すると、野生型ATG7の再導入と比較して、オートファジー機能が低下または欠損した。 この記事への読者の皆様(医師)からのコメントを募集しています。(こちらから投稿していただくコメント...