斜視のボツリヌス毒素注射、治療成功率は手術と同等

非麻痺性、非制限性の水平斜視患者で外眼筋へのA型ボツリヌス毒素（BTXA）注射と眼筋手術による眼位修復効果を比較した既発表論文をレビューで検証。無作為化比較試験2件、非無作為化比較試験3件（いずれも根拠のレベルII）、症例集積研究9件（根拠のレベルIII）の計14件を解析対象とした。

その結果、比較試験計5件中4件で、BTXA注射後の良好な眼球運動達成率は60％といくぶん一貫していた。眼筋手術後の良好な眼球運動達成率は66-77％で、手術患者とBTXA注射患者の治療転帰に有意差は見られなかった。残り1件の比較試験では、良好な眼球運動達成率はBTXA注射群の方が手術群よりも有意に高かった（94％ vs. 72％）。BTXA注射患者の症例集積研究の解析で、1回の治療で2つの筋肉にBTXAを注射した患児の眼球運動成功率が87-89％と高く、1つの筋肉に注射した成人患者では成功率が低かった。